2023/07/25 16:50
今回は、「BRASS RECTANGLE CLOCK -WOODDIAL-」の制作裏話をお届けします。
こちらの時計は、既存商品が新しく生まれ変わったリニューアル商品となります。
もともとはMDFの白いダイヤルの商品だったこちらの時計を、弊社でも人気のあるシナ材の文字盤にすることで、
よりレトロでヴィンテージ感のあるデザインにリニューアルいたしました。
今回のリニューアルの一番の理由は、正直に書いてしまうと商品としてのテコ入れでした。
製作者側からすると、「いい時計だなあ」としみじみ眺めてしまうような素敵なデザインの商品ではあるのですが、
数字のみでみてしまえば、取り扱い店舗数が少なく、回転スピードも決して早くない商品でした。
さらに、木材の高騰で今年11,000円から13,000円へと値上げを余儀なくされてしまい・・・。
もちろん、廃盤にしてしまうという選択肢もありましたが、
「この商品にはまだ伸びしろがある!」
と考えリニューアルする事に決めました。
ではなぜ廃盤にしなかったのか。
実はBRASS RECTANGLE CLOCK は、実際に手に取っていただいた皆様からの評判がとても良い商品でした。
「カタログで見るよりも断然かっこいい!」「実際に見られてよかった!」
と多くのバイヤー様やお客様からお声を頂いておりました。
出来ればこの時計をもっと皆さんに届けたい。
でも価格だけ上がって、このまま何にも変えなかったら日の目を見る事は難しい・・・。
そんな理由からモデルチェンジをする事となりました。
リニューアルにあたり、この時計の魅力とターゲット層を練り直しました。
この時計の一番の魅力は本物の真鍮が4辺に添えられているところです。
真鍮製品は革製品と同様に、使用環境や年月によって、ゆっくりと表面の色が変化します。
これは表面の酸化によるもので、 空気や人の手に触れると、徐々に深みを帯びた色合いになります。
そういったマニア心をくすぐられるものが好きな方に手に取っていただきたいと、
木の材質や素材感にもこだわり、本体に使用している突板を世界三大銘木のウォルナットに変更しました。
そして、もう一つの魅力はなんといってもやはりヴィンテージ感です。
BRASS RECTANGLE CLOCK は昭和初期の角型グレシャム時計をモチーフにした時計です。
「グレシャム」とは機械の入った四角い箱を時計の枠の後ろに背負ったタイプの時計の総称で、丸形の時計が多い当時、角型グレシャム時計は希少なものでした。
BRASS RECTANGLE CLOCK は、そんな当時のグレシャム時計のデザインに、経年変化の味が出る真鍮のモールを組み合わせる事によって、よりレトロで雰囲気あるデザインに仕上げました。
黒く縁取ったマットブラックのラインが特徴的な文字盤は、昭和初期を彷彿させるレトロなデザインにしています。
レトロデザイン、ヴィンテージデザインが好きな方、また、インテリアにこだわりのあるお客様の目に留まってほしい。
そのようなお客様により気に入っていただけるデザインにするために、当社他商品でも人気の高いシナ材の文字盤へと変更しました。
シナ材も真鍮と同様に、置く場所によって経年変化をしていくので、ヴィンテージ感がお好きなお客様にはより楽しんでいただけるのではないかと思います。
当社の時計は天然木を使用し、ひとつひとつ職人の手によって作られているため、同じ商品でもその表情に違いがありますが、お客様のもとでもまた表情を変えていきます。
真鍮とシナ材が織りなす時計の表情は年々変化していきますので、お客様のご自宅にお迎え頂き、日の光やお部屋を通る風、そしてご自身で触って頂く事によって数年後には、世界で一つだけの時計となります。
さて、長く続きました商品の裏話も今回で終了です。
ここまで読んでくださった皆様、お付き合いいただきましてありがとうございました。
本当に裏話!な内容も多くなってしまいましたが、職人、社員一同が頭をひねって考えて、一つ一つの時計たちに重すぎる想いを込めた商品ということが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
今後もどんどん新商品を出していく予定ですので、インターゼロの次回作も是非ご期待ください!
ここまでお付き合いいただきましてありがとうございました。